
「森のバター」「食べる美容液」ともいわれ、高い栄養価が注目されているアボカド。
具体的には、どのような成分が含まれているのでしょうか?
アボカドの栄養素の特徴と、効果的な使い方を紹介します。
Contents
アボカドのカロリーと栄養素
では、具体的なデータを見てみましょう。
アボカド1個に含まれる主な栄養素の量と、体に必要な栄養素量を示した食事摂取基準に対する充足率を紹介します。
■アボカド1個分の栄養価と食事摂取基準との比較
アボカド | 食事摂取基準に対する充足率 | |
エネルギー | 224kcal | – |
タンパク質 | 3.0g | 6% |
脂質 | 22.4g | – |
炭水化物 | 7.4g | – |
うち食物繊維 | 6.4g | 35% |
ビタミンE | 4.0㎎ | 66.7%-80% |
ビタミンB2 | 0.25㎎ | 20.8% |
ビタミンB6 | 0.38㎎ | 34.5% |
葉酸 | 100㎍ | 41.7% |
カリウム | 860㎎ | 33.1% |
*1個120gあたり、 文部科学省:「食品成分データベース:日本食品標準成分表2015年版(七訂)」より作成 |
*厚生労働省:「日本人の食事摂取基準(2020年版)策定検討会」 報告書18-64歳女性の値から換算 |
※横スクロールで表全体の確認が可能です。
脂質
アボカドの主成分は「脂質」。
100gあたり18.7gと果実の中で最も脂質を多く含んでおり、森のバター、バターフルーツとも呼ばれるのもうなずけます。
脂質が多いというと不健康なイメージですが、アボカドの油はバターなどの動物性油脂と比較して一価不飽和脂肪酸が多く含まれているのが特徴です。
植物性食品に比較的多く含まれる一価不飽和脂肪酸は、動物性食品に比較的多い飽和脂肪酸に比べ、血中コレステロール値に悪影響を与えにくく、生活習慣病につながりにくい油として知られています。
食物繊維
アボカドは滑らかな口当たりながら、食物繊維が豊富に含まれているのも魅力の一つです。
100gあたり5.3gと、実はごぼうと同じくらいの食物繊維が含まれています。
食物繊維をしっかりとることで、生活習慣病の予防や腸内環境を改善に役立ちそうです。
ビタミンE
ビタミンEは抗酸化作用によって活性酸素を除去し、細胞の老化を防ぐ作用があります。
乾物や果物の皮部分を除いた果物の中でビタミンEを最も多く含んでいるのはアボカドで、アボカド1/2個で1日の摂取目安量の1/3が確保できます。
ビタミンB2,B6
ビタミンB2・ビタミンB6はアミノ酸や脂質の代謝を助け、肌の健康を保つのに役立つビタミンです。
通常は肉や魚などに多く含まれていますが、アボカドにも豚肉と同じくらいの量が含まれています。
葉酸
葉酸は血液を正常に作る働きをもつほか、妊娠初期に葉酸が不足すると胎児の発育障害が起こりやすくなるといわれており、妊娠する前から不足しないようにしたいビタミンです。
緑黄色野菜に多く含まれますが、水溶性の成分であるため、茹でることで失われやすい特徴があります。
調理することなく生で食べられるアボカドは無駄がない摂取源と言えますね。
カリウム
カリウムは体内の塩分や水分の調節にかかわっており、むくみの改善や体内の水分・ミネラルバランスを保つのに役立つ成分です。
カリウムの含有量も乾物を除く果物の中でアボカドは最も多く、一般にカリウムを多く含むとされるほうれん草をやや上回っています。
利点を生かした使い方と注意点
高カロリーでありつつ、栄養価も高いアボカドですが、その特徴を生かすには、どのような使い方をするのが良いのでしょうか?
良さを活かした使い方と、注意が必要なポイントを紹介します。
バターの代用品としての利用がおすすめ
おすすめの使い方のひとつは、バターの代わりにパンに塗るなどの使い方です。
くだものの中ではかなりの高カロリーを誇るアボカドですが、バターに比べればなんと1/4。
トーストに塗るバターの代わりに、つぶすかスライスしたアボカドを載せれば食物繊維やビタミンもとれて健康的です。
塩コショウやお酢などでマヨネーズ風に仕上げるのもいいですね。
ただし、たっぷり乗せてしまうとカロリーオフにはなりません。
使う量はバター10gに対してアボカド40g(約1/3個)以下を目安にするのがおすすめです。
(アボカド40gでバター10gと同じカロリーになりますが、ボリュームアップできてビタミン・ミネラル・食物繊維がプラスに!)
高カロリーなので量に注意
アボカドは食べやすいながらミネラルやビタミンが豊富で「食べる美容液」「スーパーフード」といわれるのも納得です。
とはいえ、脂質が豊富なぶん、1個の可食部120gあたり224kcalと、アボカドひとつでお茶碗1杯分のごはんと同じくらいのカロリーがあります。
果物・野菜としてはかなり脂質が多くエネルギーも高いものなので、一度に大量に食べることはおすすめしません。
アボカドの量や頻度、またはほかの食事とのバランスで調整するのがいいでしょう。
アボカドの美容・アンチエイジング効果について詳しく解説した記事はこちら |
おいしいアボカドの見分け方、保存方法
食べごろのアボカドは果皮が黒くなって軽く押すとわずかに柔らかさを感じる程度と言われています。
最近は食べごろの日付が印刷されたシールが貼ってある場合もあるので、チェックしてみてくださいね。
切らない丸ごとの状態であれば、5~7℃の温度で30日間ほど保存が可能のようです。
ただし、常温では追熟が進みすぎたり、5℃以下では低温障害で味が落ちたりするので、注意が必要です。
アボカドは切った後に果肉の断面が空気に触れ続けると茶色に変色してしまいます。
もし食べきれずに保存するときは、レモンなどの酸によって変色をおさえることができるので、断面にレモン汁などを塗ってから空気に触れないようにラップをすると変色を防ぐことができます。
切った後は2日程度を目安に食べきってくださいね。
【レシピ紹介】コラーゲン合成・肌細胞に注目!アボカドチキンサラダ
【材料】2人分
アボカド | 1個(120g) |
鶏もも肉 | 1枚(300g) |
塩 | 少々(1g) |
こしょう | 少々(2~3振り) |
レタス | 3枚(60g) |
赤パプリカ | 1/2個(60g) |
塩 | 少々(1g) |
こしょう | 少々(ひとふり) |
オリーブオイル | 小さじ1(4g) |
酢 | 小さじ2(10g) |
※横スクロールで表全体の確認が可能です。
【作り方】
1. 鶏もも肉を一口大に切り、塩コショウを振っておく。
2. フライパンに鶏もも肉をのせて皮目から焼く。皮がこんがり焼けたら裏面も焼く。
3. ドレッシングの材料をすべて混ぜておく。
4. レタスを洗って一口大にちぎって皿に盛る。
5. パプリカの種をとり、一口大に切る。
6. アボカドの皮と種をとり、一口大に切る。
7. レタスの上に鶏肉、アボカド、パプリカを盛り、ドレッシングをかける。
食事のメインにもなるがっつり系のおかずサラダです。
アボカドでビタミンB2とB6、鶏もも肉で肌細胞のもとになるたんぱく質を、パプリカでコラーゲン合成にかかわるビタミンCをたっぷりとれます。
【栄養価】1人分469kcal ビタミンB2 0.41㎎ ビタミンB6 0.70㎎ ビタミンC 67㎎
まとめ
アボカドは栄養価の高さが魅力である一方、カロリーも高く、使い方には少し注意が必要そうです。
アボカドの良い面をうまく活かす方法で取り入れたいですね。
参考文献 文部科学省:「食品成分データベース:日本食品標準成分表2015年版(七訂)」 吉田勉 監修:「わかりやすい食品機能栄養学」.三共出版,2010. |