りんごは低カロリーでポリフェノールがダイエットに効くって本当?

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りんごとダイエット

かつて、3日間の食事をすべてリンゴに置き換えるというダイエット方法がブームになったことがありました。
最近では、りんごに含まれる機能性成分がダイエットに効果的とする情報も流れています。
ダイエットには、どのような取り入れ方が効果的なのでしょうか?

りんごでダイエット?

近年注目されているリンゴダイエットは3食すべてを置き換えるかつての方法よりも、

・1日のうち1食をりんごのみに置き換え
・間食をりんごにする

といったように、一部をりんごに変える方法が主流のようです。

りんごを使ったダイエットをすすめるウェブサイトでは、

・摂取カロリー低下
・食物繊維で便秘改善
・カリウムでむくみ防止
・ポリフェノールで脂肪吸収を抑える効果

が期待できるといわれていますが、これらの効果は本当なのでしょうか?

りんごがダイエットに効果的って本当?

りんごの木

ダイエットは「摂取エネルギーと消費エネルギーの差」が大原則

世の中にはさまざまな種類のダイエット方法がありますが、結局のところ体脂肪を減らすためには摂取エネルギー(カロリー)を消費エネルギー(カロリー)よりも小さくする必要があります。

どんなに高カロリーな食品を食べても、ある期間を通して摂取エネルギーが消費エネルギーよりも低い状態であれば太ることはありません。

反対に、低カロリーといわれる食品でも、食べれば食べるだけやせるといったことは起こりません。普段の食事に加えることでやせる食品は存在しないのです。

どんな食べ物も、量や消費エネルギーとのバランスに配慮すれば太ることはありません。反対に、どんな食べ物も食べすぎれば肥満につながります。

りんごの栄養成分
りんご(皮なし)
100g(約1/2個)
りんご(皮つき)

100g(約1/2個)
1日の摂取基準

(18-29歳女性の値)
エネルギー 57kcal 61kcal 1950kcal(身体活動レベル:ふつうの場合)
たんぱく質 0.1g 0.2g 50g(推奨量)
脂質 0.2g 0.3g gでの基準は無し
炭水化物 15.5g 16.2g gでの基準は無し
うち食物繊維総量 1.4g 1.9g 18g以上
カリウム 120mg 120mg 2600mg以上(目標量)
ビタミンC 4mg 6mg 100mg(推奨量)

※横スクロールで表全体の確認が可能です。

りんごは比較的カロリーの低い食品ですが、カロリーがないわけではありません。

たんぱく質や脂質はほとんど含まれておらず、おもな栄養素は炭水化物です。
食物繊維とカリウムが比較的豊富に含まれていますが、きわめて多いというほどではありません。

果物というとビタミンCが取れるイメージも強いですが、りんごに関してはあまり含まれていません。

りんごは低カロリー、でも単体では栄養バランスは取れない

比較的低カロリーなりんごは、比較的多く食べても摂取エネルギーを低く抑えられるという点ではダイエットの時に心強い食品といえそうです。

しかし、りんごには体に必要な栄養素はさほど多くは含まれていません。
そのため、1日の食事の大部分をりんごに置き換えるダイエットでは、体に必要な栄養素が不足し、体調不良の原因にもなることが考えられます。

1日を通した食事からの摂取エネルギーを消費エネルギー以下に抑えるために、「低カロリーなりんごをひとつの要素として活用する」ことが重要です。

便秘やむくみ改善は脂肪とは関係ないものの、見た目にかかわる要素のひとつ

りんごに含まれる食物繊維が便秘解消に、カリウムがむくみ解消にかかわり、ダイエットに効果的ともいわれます。

便秘やむくみによる体重の増加や見た目の変化は、体脂肪の量の変化とは別物であるため、ダイエットとは分けて考えるべき現象です。
しかし、便秘やむくみなどのトラブルはないほうが見た目にもすっきりして見え、健康面でも望ましい状態といえます。

食物繊維

りんごには100g(およそ1/2個)あたり1.4g(皮付きなら1.9g)の食物繊維が含まれています。

食物繊維は腸内細菌の栄養源になったり、便の骨組みとなって排便を促すと考えられており、食物繊維の十分な摂取によって便秘の予防にもつながります。

1日あたりの摂取目標量は18~69歳の女性で18g以上、18~69歳の男性で20g以上とされています。
この量をりんごだけでまかなうことは難しいですが、食事にりんごを取り入れることで食物繊維の摂取量を増やすことに貢献できます。

カリウム

果物のなかではさほど多いとは言えませんが、りんごには100gあたり120mgのカリウムが含まれています。

多くの日本人では塩分をとりすぎている傾向にあり、塩分過多はむくみの原因にもなるほか、将来の生活習慣病にもつながりやすくなるため、気を付けたいポイントです。

カリウムは塩分の排出を促すミネラルで、十分な量を摂取することで塩分のとりすぎが原因のむくみや、高血圧の予防にもつながります。

リンゴポリフェノールの効果は限定的

りんごのカロリーの低さに加え、りんごに含まれるポリフェノールがダイエットに効果を示すとする情報もありました。

実際に、りんごのポリフェノールを抽出して配合した機能性表示食品も発売されていますが、BMI値が高め(23~30)の人を対象として、12週間継続した場合の結果として、内臓脂肪の減少が示されています。

その機能性表示食品でのリンゴポリフェノールの含有量は生のりんごでは1.2㎏にも相当すると考えられ、毎日の摂取は難しい量と考えられます。

生のりんごの状態で1日0.5~1個程度の摂取では、同様の効果を期待するのは難しいといえそうです。

ダイエット目的でりんごは食べないほうがいいの?

りんごに特別な効果はないのであれば、ダイエット中にりんごを食べることは全くの無意味なのでしょうか?

ダイエットにおけるりんごの利点は「食べ応えがあるわりに低カロリー」であるという点です。
1日の食事全体を通して、摂取エネルギーを消費エネルギーよりも低く抑えるための食材のひとつとして、りんごを含む果物を活用することはとても効果的といえます。

適量のフルーツでおいしくカロリーオフ・栄養価アップ

カットフルーツ

りんごやその他の果物を効果的に使って、食事を低カロリーに抑えるポイントを紹介します。

りんごに限らず果物全般を活用しよう

りんごだけに限らず、果物全般はおおむね低カロリーで食物繊維とカリウムを含む食品といえます。(例外…バナナ=86kcal、アボカド=187kcal)
りんごにはほとんど含まれていませんが、かんきつ類にはビタミンCも豊富に含まれています。

食事バランスガイドでは、1日に食べるとよいとされる果物の量はおよそ200g。
毎日200g以上の果物をかかさず食べることは難しくとも、意識して取り入れるようにすることで、食事のエネルギーを低くしながら、積極的にとりたい食物繊維・カリウム・ビタミンCを補給することができます。

お菓子の代わりに間食として、少なめに抑えた食事のデザートとして

果物を取り入れる場面として、間食として、お菓子などの代わりに食べるのはいかがでしょうか。

チョコレートは20g(板チョコなら1/3枚程度)で100kcalを上回りますが、りんごなら100g(1/2個分)食べてもエネルギーは半分程度に抑えられます。

甘く煮たもの、果物入りスイーツは生の果物と同じように考えるのは難しい

ただし、果物が原料であっても、砂糖で甘く仕上げたものは生のものと同じように考えることは難しいでしょう。
ジャムのように加熱されたものは水分も抜け、砂糖が多量に使われているため、「低カロリーでカサが張る」という利点が失われています。

また、果物をとる目的で高カロリーなケーキを食べるのでは無意味になってしまいます。

ただし、スイーツの中では生の果物を多く使ったものほどカロリーは低く抑えやすいので、ダイエット中にスイーツが食べたくなった時には生の果物の割合が多いものを選ぶのがおすすめです。

太らないための食事・運動のすすめ

ひとつの食材ではなく全体を見よう

繰り返しにはなりますが、ひとつの食材に頼ることはダイエットの失敗につながります。

様々な食品の機能性成分が注目され、サプリメントなどにも使われていますが、機能性成分によるダイエット効果はエネルギー(カロリー)管理に比べるとごくわずかなものになります。

ダイエットは摂取エネルギーを消費エネルギーよりも低くすることが大原則です。

とはいえ、いくら低カロリーだからといっても、果物だけでは毎日の生活に必要な栄養素は不足してしまいます。
ごはんやパンなどの主食、肉や魚の主菜、野菜を主とした副菜などをまんべんなく食べたうえで、果物を上手に活用してくださいね。

食事だけでなく運動もしよう

ダイエットというと食事の管理をするイメージも強いですが、現代の日本人においては、食事の管理と同じかそれ以上に運動習慣を持つことも重要です。

現代の肥満の原因はエネルギー(カロリー)の摂取過多というよりも、身体活動量が減ったことが大きくかかわっています。
食事の極端な制限では必須栄養素の不足や体調不良の原因にもなります。
厳しすぎない食事の管理と、体を動かす機会をつくることで、ダイエット効果も表れやすくなるといえます。

参考文献

吉田勉 監修:「わかりやすい食品機能栄養学」.三共出版,2010.

社団法人日本栄養士会監修:「食事バランスガイド」を活用した栄養教育・食育実践マニュアル.第一出版,2011.

文部科学省:「食品成分データベース:日本食品標準成分表2015年版(七訂)」

厚生労働省:「日本人の食事摂取基準(2015年版)」

国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所:「健康食品」の安全性・有効性情報(プロシアニジンについて)

厚生労働省科学研究成果データベース:「抗酸化物質を含有するいわゆる健康食品の安全性・有効性に関する研究」

アサヒ飲料株式会社:「アサヒ凹茶」

庄司 俊彦.リンゴポリフェノールの健康機能性とその活用 日本食品科学工学会誌,63巻1号(2016)

庄司 俊彦.リンゴ由来プロシアニジン類の機能評価と機能性表示食品の開発 化学と生物,55巻9号(2017)