
かつて、3日間の食事をすべてリンゴに置き換えるというダイエット方法がブームになったことがありました。
最近では、りんごに含まれる機能性成分がダイエットに効果的とする情報も流れています。
ダイエットには、どのような取り入れ方が効果的なのでしょうか?
Contents
低カロリーな食品として使える
ダイエットの原則はカロリー収支
ダイエットの基本は「摂取エネルギーを消費エネルギーよりも小さくすること」。
足りないエネルギーを体脂肪から調達することで体脂肪を減らしていきます。
体脂肪を減らすためのダイエットとカロリーについて詳しく解説した記事はこちら |
摂取エネルギーのカットや消費エネルギーの増加に役立つものが、「ダイエットに効果のある食材」といえそうです。
りんごは低カロリーな食材のひとつ
ダイエットにおけるりんごの利点は「ボリュームに対して低カロリー」であるという点です。
りんご(皮むき) | 白米ごはん | 鶏もも肉・皮付き・焼き |
57kcal | 168kcal | 241kcal |
*100gあたり、日本食品標準成分表2015年版(七訂)より作成
※横スクロールで表全体の確認が可能です。
1日の食事全体を通して、ボリュームを残しつつ摂取エネルギーを低く抑えるための食材のひとつとして、りんごを含む果物を活用することはとても効果的といえます。
ダイエット中のりんごはこんな風に活用しよう
間食や食後のスイーツとして
ダイエット中には、低カロリーなりんごをお菓子の代わりに間食として、または少なめに抑えた食事のデザートとして取り入れるのがおすすめです。
チョコレートは20g(板チョコなら1/3枚程度)で100kcalを上回りますが、りんごなら100g(1/2個分)食べてもエネルギーは半分程度に抑えられます。
コンポートやジャムは逆効果!
ただし、コンポートやジャムのように砂糖で甘く仕上げたものは生のものと同じように考えることはできません。
アップルパイなどの焼き菓子に使われているりんごは水分も抜け、砂糖が多量に使われているため、生のりんごの「低カロリーでカサが張る」という利点が失われています。
ただし、スイーツの中では「生の」果物を多く使ったものほどカロリーは低く抑えやすいので、ダイエット中にスイーツが食べたくなった時には生の果物の割合が多いものを選ぶのがおすすめです。
りんごダイエットの注意点
「りんごダイエット」というと置き換えがメインだけど…
かつて流行したりんごダイエットは「3日間の食事すべてをりんごに置き換える」というものでした。
しかし、りんごには体に必要な栄養素はさほど多くは含まれていません。
そのため、1日の食事の全部または大部分をりんごに置き換えるダイエットでは、体に必要な栄養素が不足し、体調不良の原因にもなることが考えられますので、おすすめできる方法ではありません。
あくまで「食事の一部」として取り入れるのがポイントです。
りんごの機能性成分にやせ効果がある?
りんごを使ったダイエットについて、りんごに含まれるポリフェノールに脂肪吸収を抑える効果があり、その働きによってダイエットできるとする情報も見かけます。
実際に、りんごのポリフェノールを抽出して配合した機能性表示食品も発売されていますが、BMI値が高め(23~30)の人を対象として、12週間継続した場合の結果として、内臓脂肪の減少が示されています。
しかし、その機能性表示食品に含まれるリンゴポリフェノールの含有量は生のりんごでは1.2㎏(4-5個)にも相当すると考えられることもあり、りんごそのものから毎日摂取するのは難しそうです。
まとめ:りんごはあくまで食事の一部として
比較的低カロリーなりんごは、「比較的多く食べても摂取エネルギーを低く抑えられる」という点でダイエットの時に心強い食品といえそうです。
りんごを上手に活用するには、1日を通した食事からの摂取エネルギーを消費エネルギー以下に抑えるために、「低カロリーなりんごをひとつの要素として活用する」ことが重要です。
ごはんやパンなどの主食、肉や魚の主菜、野菜を主とした副菜などをまんべんなく食べたうえで、りんごを含めた果物を上手に活用してくださいね。
参考文献 吉田勉 監修:「わかりやすい食品機能栄養学」.三共出版,2010. 文部科学省:「食品成分データベース:日本食品標準成分表2015年版(七訂)」 国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所:「健康食品」の安全性・有効性情報(プロシアニジンについて) 厚生労働省科学研究成果データベース:「抗酸化物質を含有するいわゆる健康食品の安全性・有効性に関する研究」 庄司 俊彦.リンゴポリフェノールの健康機能性とその活用 日本食品科学工学会誌,63巻1号(2016) 庄司 俊彦.リンゴ由来プロシアニジン類の機能評価と機能性表示食品の開発 化学と生物,55巻9号(2017) |