
ダイエットによい食品とはどんなもの?
「ダイエット」という言葉にはいろいろな意味が含まれますが、ここでは「体についた余分な体脂肪を減らす」という意味でのダイエットを考えてみます。
体についた体脂肪を減らすには、エネルギーとして消費する必要があります。
食事などから摂取したエネルギーを、日常生活や運動で消費するエネルギーよりも小さくすることで、足りないエネルギーを補うため、体脂肪が消費されます。
よって、消費エネルギーを増やす、または摂取エネルギーを減らす効果があるもの(食事や運動)がダイエットに効果のあるもの…と判断することができます。
プロテインにはこれらの効果があるのでしょうか?
プロテインはやせる?太る?
残念ながら、プロテインの主成分であるたんぱく質には食べた以上に消費エネルギーを増やすような、「やせる効果」はありません。
プロテインというと筋肉をつけるために取り入れるイメージもあるものの、プロテインをとることだけでは筋肉を付けることはできず(トレーニングなどの負荷が必要)、飲むだけで筋肉が増えて基礎代謝がアップ…ということにはなりません。
また、プロテインにもエネルギーはあるため、プロテインを含む食事からの摂取エネルギーが消費エネルギーよりも多い状態では、余ったエネルギーは体脂肪として蓄積されてしまいます。
よって、ダイエットのため…といって食事や運動などの生活を見直さないままにプロテインを足すだけでは、かえって体脂肪をため込む原因となりかねません。
だからと言って、「プロテイン=太る」というものでもありません。
あくまで原因は消費エネルギーに対して摂取エネルギーが多すぎることであり、プロテインそのものが直接の原因とは言い切れません。
プロテインを飲んでも、飲まなくても、
摂取エネルギーが消費エネルギーを上回れば体脂肪が蓄積される方向にはたらき、
消費エネルギーが摂取エネルギーを上回れば体脂肪は消費されていきます。
ダイエット中にプロテインをとるメリットはある?
プロテインそのものには、やせる効果はありません。
では、ダイエット中にプロテインをとるメリットはどんなものか、考えてみました。
■食事制限時のたんぱく質補給
たんぱく質は必須栄養素のひとつで、健康を維持するためにある程度の量を必ず取る必要があります。
ダイエットにおいて厳しい食事制限をしている場合には食事からのたんぱく質摂取が不足する恐れがあるため、プロテインからたんぱく質を補給する…という使い方が考えられます。
とはいえ、あまり厳しい食事制限では、たんぱく質以外のさまざまな必須栄養素が不足する恐れがあります。
ビタミンやミネラルなどが強化されたものもありますが、いずれもプロテインさえ飲んでいれば健康を保てるという訳ではありません。
また、極端な食事制限ではなく、長期にわたって継続可能な「バランスの取れた適量の食事」を習慣化するほうがリバウンドをしないダイエットには効果的であり、この場合、プロテインは必ずしも必要なものではありません。
■たんぱく質摂取に伴う脂質エネルギーをカットできる
通常の食品で主にたんぱく質の摂取源となるのは、肉類や魚類、たまごや乳製品など。
これらの食品には量の差はあれど脂質もある程度含まれ、ほとんど純粋なたんぱく質からなるような食品はほとんどありません。
脂質は重さあたりのエネルギーが高く(9kcal/g、たんぱく質と炭水化物:4kcal/g)、過剰摂取は摂取エネルギーの過剰につながりやすいため、ダイエット中にはなるべく摂取量を減らしたいと考える人が多い栄養素です。
よって、脂質を伴いがちなたんぱく質食品に置き換える形でプロテインを取り入れることで、たんぱく質に伴う脂質のエネルギーをカットするという使い方もできそうです。
とはいえ、プロテインも「たんぱく質100%」というような商品は少なく、飲みやすくするために糖類(炭水化物)を多く含むものもあるため、注意が必要です。
ダイエット中にプロテインをどう活用する?
いずれにせよ、ダイエットにおいて体脂肪を減らすためには、摂取エネルギーを消費エネルギーより少なくする必要があります。
よって、ダイエットにプロテインを活かしたいのであれば、(使い方に注意が必要ですが)摂取エネルギーを抑えるために活用するのがよいでしょう。
例えば、脂質の多くなりがちな肉料理をプロテインと置き換えて、トータルの摂取エネルギーを抑えるようにする…といった使い方がよいでしょう。
まとめ ダイエットにプロテインは必ずしも必要ではない
プロテインはたんぱく質の摂取を目的としたサプリメントであり、そのものに痩せる効果はありません。
ある程度のバランスが取れた食事ではたんぱく質が不足するということはそうありません。
また、ダイエット中においてもたんぱく質の不足を補うためにプロテインを必要とするような極端な食事制限はあまりオススメできません。
これらの理由から、ダイエットを目的として積極的にプロテインを活用する必要性はあまりないともいえそうです。
飲むだけで太るということはありませんが、ダイエットのために取り入れるには、注意が必要な食品ととらえたほうがよさそうです。