2021.10.04

オメガ3とは?不足しないためにサプリは必要?|管理栄養士執筆

「オメガ3」と呼ばれる油は、様々な種類のある油脂の中でも、「健康的な油」として知られています。

健康食品やサプリメントの成分としても人気ですが、積極的にとるべきものなのでしょうか?

オメガ3のはたらきと私たちの摂取量から、効果的に活用する方法を解説します。

  • Facebook
  • Twitter
  • はてなブックマーク
魚とオメガ3サプリ

オメガ3とは?必須栄養素であり、生活習慣病予防に関与

オメガ3は「n-3系脂肪酸」とも呼ばれ、脂質に属する「脂肪酸」の一種です。

ヒトの体内で合成できないことから、食事などから必ず摂取する必要のある「必須脂肪酸」で、日本人の食事摂取基準2020年版でも、同じく必須脂肪酸であるn-6系脂肪酸(オメガ6)とともに摂取目安量が設定されています。

オメガ3に属する脂肪酸にはドコサヘキサエン酸(DHA)、イコサペンタエン酸(EPA)、α-リノレン酸が存在します。

体内では、オメガ3は主にオメガ6とともにエイコサノイド(ホルモン様物質)として免疫機能の調整等にかかわっており、摂取量のバランスにより、免疫機能やアレルギー症状の強弱などに影響が及ぶと考えられています。

また、オメガ3はオメガ6とあわせて「多価不飽和脂肪酸」というグループに属します。
オメガ3を含む多価不飽和脂肪酸は、ほかの脂肪酸と比較して血中のLDLコレステロール値を相対的に下げることが知られており、飽和脂肪酸と置き換える形で摂取量を増やすことで、冠動脈疾患・心筋梗塞の発症率や死亡率を下げることが知られています。

オメガ3はどんな食品からとれる?

オメガ3は3種類の脂肪酸が属しますが、それぞれ主な摂取源は異なります。
DHAとEPAは魚の脂身に多く、α-リノレン酸は植物油に多く含まれています。

■α-リノレン酸を多く含む食品
アマニ油 57000㎎/100g(大さじ1:12gで6800㎎)
くるみ(いり) 9000㎎/100g(5かけ:15gで1400㎎)
調合油(サラダ油)6800㎎/100g(大さじ1:12gで820㎎)
マヨネーズ 4900㎎/100g(大さじ1:12gで590㎎)

■EPAを多く含む食品
たいせいようさば(生) 1800㎎/100g(半身の1/2:100gで1800㎎)
みなみまぐろ(トロ) 1600㎎/100g(寿司1貫分:15gで240㎎)
しろさけ・イクラ 1600㎎/100g(大さじ1:17gで270㎎)
さんま(生) 1500㎎/100g(1匹150gの可食部:100gで1500㎎)

■DHAを多く含む食品
みなみまぐろ(トロ) 4000㎎/100g(寿司1貫分:15gで600㎎)
たいせいようさば(生) 2600㎎/100g(半身の1/2:100gで2600㎎)
さんま(生) 2200㎎/100g(1匹150gの可食部:100gで2200㎎)
しろさけ・イクラ 2000㎎/100g(大さじ1:17gで340㎎)
文部科学省:「食品成分データベース:日本食品標準成分表2020年版(八訂)」より作成

オメガ3の摂取源となる食品というと魚が注目されがちですが、実際には植物油が大部分を占めています。
オメガ3に属する脂肪酸のいずれかを摂取できれば必要なものに合成できるため、DHAやEPAの摂取割合が少なくても問題はありません。

どのくらいとるべき?不足しているの?

日本人の食事摂取基準(2020年版)では、オメガ3の摂取量の目安量は1日あたり18-49歳の男性で2.0g(2000㎎)、18-49歳の女性で1.6g(1600㎎)とされています。

この数値は、日本人の習慣的なオメガ3の摂取量(平成28年度国民健康・栄養調査)を根拠としたものであり、あくまでも目安で、絶対に確保すべき量というものではありません。

口からの食事がとれないなどの特殊な状況を除き、オメガ3の不足による健康への影響は見られず、不足を心配する必要はありません。

健康食品やサプリメントでとる意味はある?

オメガ3を取り入れた健康食品やサプリメントは多く、人気もありますが、端的に言えばほとんどの人で積極的に摂取する意味はあまりありません。

通常の食生活では不足による健康への悪影響の可能性は低いことがひとつめの理由。

さらに、生活習慣病予防の観点ではサプリ等による「付け足し」のような摂取ではなく、ほかの食材由来の飽和脂肪酸を減らし、多価不飽和脂肪酸の割合を増やす「置き換え」の形での摂取量増加が望ましいことが理由です。

具体的には、
・肉料理がほとんどを占める、という人では週のうち何食かを魚料理に切り替える
・バターや生クリームを多くとる人は何割かを植物性油脂に切り替える
といった方法が理想的で、単にサプリメントを増やすだけでは生活習慣病予防には効果的とは言いにくいのです。

まとめ 大事な栄養素だけど、サプリ摂取の意義は弱い

オメガ3は必須栄養素のひとつであり、生活習慣病予防の観点でも注目度の高い栄養素です。

とはいえ、不足が心配な栄養素ということはなく、また、生活習慣病予防にはオメガ3そのものの摂取よりも、食事全体の見直しのほうが効果的です。

生活習慣病予防のための食事改善のひとつの要素として、肥満の解消や飽和脂肪酸の摂取量を減らすことをふまえてオメガ3を取り入れるのが理想的な取り組みといえそうです。

参考文献

国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所:「健康食品」の安全性・有効性情報(n-3系脂肪酸について)

文部科学省:「食品成分データベース:日本食品標準成分表2020年版(八訂)」

厚生労働省:「日本人の食事摂取基準(2020年版)策定検討会」 報告書

厚生労働省:「統合医療」情報発信サイト オメガ3脂肪酸について知っておくべき7つのこと

Mensink RP, et al. Effect of dietary fatty acids on se-rum lipids and lipoproteins: A meta-analysis of 27 trials. Arterioscler Thromb 1992; 12: 911-9.

平井 しおり管理栄養士
平井 しおり管理栄養士

2013年に管理栄養士資格取得後、保育施設に勤務、栄養相談などに従事。

現在は「イマカラ」にて、栄養とダイエットに関する科学的根拠に基づいた情報を発信しています。