
食品添加物ってどんなもの?
食品添加物とは、食品の製造や加工、保存の目的で食品に使用されるもののことを指します。
【食品添加物の一例】
食品の味を調えるもの:甘味料・香料・酸味料・調味料など
食品の見た目を整えるもの:着色料・発色剤・漂白剤
食品の性質を整えるもの:増粘剤・安定剤・ゲル化剤・乳化剤・pH調整剤・膨張剤
食品の保存性を高めるもの:保存料・酸化防止剤・防カビ剤
栄養成分を補うもの:各種ビタミン・ミネラル等
いずれも、使用できるのは原則として厚生労働省により指定されたものだけに限られています。
(長い食経験のある既存添加物・使用量がごくわずかな天然香料・一般に食品とされているものを添加物として使った一般食品添加物は指定がなくとも使用可となるものもあります)
添加物は自然じゃないから不安?天然物質なら安心?
食品添加物が怖いと感じるのはなぜでしょうか?
その理由のひとつには、食品添加物は化学的に合成されるもので、自然なものではないというイメージがあるのではないでしょうか。
しかし、食品添加物と呼ばれるものには天然由来の物質も含まれるため、必ずしも食品添加物=人工的な化学物質 ではありません。
また、天然に存在する物質も化学物質の集合体であり、特定の物質について、一定量を超えて摂取すると有毒性を示すことに、天然も人工も違いはありません。
特定の物質による健康被害を受けないためには、自然由来のものか、人工的に作られたものかにかかわらず、極端な量をとらないということが大事なポイントとなります。
食品添加物の危険性は「量」が重要
食品添加物は、使用できるものとして指定される前に、食品安全委員会による安全性評価を受けることになっています。
1:食品添加物として使用する物質がどのような物質か明らかにする(化学物質の同定)
2:実験動物等を用いた毒性試験により、どのくらいの量までなら摂取しても健康への影響がないかを確認する(無毒性量を決定)
3:無毒性量と安全係数(1/100など)を用いてヒトがその物質を生涯、毎日摂取し続けても健康への悪影響がないと推定される1日あたりの量(一日摂取許容量)を設定する
4:1日摂取許容量を超えないように使用基準を決定する
【添加物の使用基準と毒性の関係】
このように、毎日・一生を通じて摂取しても安全性が確保できる量が決まってから使用できる添加物として指定されるため、市場に出回っている食品から摂取する食品添加物について、健康面での影響はありません。
よって、健康のために添加物の含まれた食品をあえて避ける必要はありません。
食品添加物の積み重ねが怖い?
とはいえ、毎日の食事の中で食品添加物が使用された食品を複数摂取することで、1日摂取許容量を超えてしまうのではないか…と不安になるかもしれません。
厚生労働省では、実際に市場に販売されている食品を用いて、「日本人が実際に取っている食品添加物の1日あたりの量」を、保存料、酸化防止剤、甘味料など、対象となるものを変えて毎年調査が行われています。
この調査によると、いずれの年度・添加物の種類においても、私たちが摂取している食品添加物は一日摂取許容量を大きく下回っています。
このことからも、一般的・日常的な食品に使用されている食品添加物によって健康への影響を心配する必要はないといえるでしょう。
また、この調査により、安全性上問題となるような摂取量であることなどが分かった場合には、その結果に応じて食品添加物の使用基準を改正するなどの措置をとることとされています。
実際の食生活に応じた基準が守られる仕組みになっているのも安心できますね。
まとめ 食事の選択肢を広げるもののひとつとして考えるのがよい
食品添加物は適切に使用されることによって、安定した品質の加工食品を広く供給することができるなどのメリットがあります。
安定した品質の加工食品が流通することで、私たちも手軽においしい食品を比較的安価に手に入れることができます。
日常的な食事をすべて手作りで新鮮なうちに用意することのできる環境にある場合には、食品添加物は必ずしも必要なものではありません。
しかし、だからといって絶対に避けるべきものではありませんので、むやみに怖がらないようにしたいですね。