2022.07.11

たまごの栄養素とは?殻や黄身の色で変わる?|管理栄養士執筆

たまごは毎日食べるという人も少なくないほど身近な食品ですが、栄養面ではどのような特徴があるのでしょうか?

殻や黄身の色による栄養素の違いはあるのか、健康のためには1日1個までにすべきというウワサは本当か…など、たまごの栄養について解説します。

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たまご

たまごは主に「たんぱく質」を含む食品、ビタミン類も多め

たまご(鶏卵)はどのような栄養素を含んでいるでしょうか?
日本標準食品成分表2020年版(八訂)では、以下の通り。

【たまご1個(60g)の栄養成分値】
エネルギー 85.2kcal
たんぱく質 7.3g
脂質 6.1g
コレステロール 222㎎
炭水化物 0.2g
鉄 0.9㎎
ビタミンA 126μgRAE
ビタミンD 2.3μg
ビタミンE 0.8㎎
ビタミンK 7μg
(日本標準食品成分表2020年版(八訂)より)

主な栄養素は「たんぱく質」で、必須アミノ酸を十分に含むためアミノ酸スコアは100となっており、良質なたんぱく源となります。

微量栄養素については、同じくたんぱく質源となる肉類と比較して鉄分と脂溶性ビタミン(ビタミンA、D、E、K)が豊富な一方、コレステロールも多いのが特徴。

「完全栄養食」といわれることもあるほど栄養素には富みますが、ビタミンCなど、たまごには乏しい必須栄養素も存在するため、バランスの取れた食事の中で取り入れたいですね。

たまごの殻の色、黄身の色は栄養価に関係ある?

スーパーなどでよく見るたまごには殻の白いものと茶色いものがありますよね。
また、黄身の色もたまごによって明るい黄色のものから、赤みがかったオレンジ色に近いものなど、さまざまですが、これらの色の違いは栄養価と関係があるのでしょうか?

たまごの殻の色は、たまごを産むニワトリの「品種」の違いによるものです。
なんとなく茶色いたまごのほうがよいもの…というイメージがあるのは名前の付いたブランドたまごに茶色い殻のものが多いためですが、すべての茶色いたまごがすべての白いたまごよりも味や品質に優れるということではないようです。

殻の色にかかわる品種の違いと栄養価には直接の関連はなく、白いたまごと茶色いたまごについて、どちらが栄養的に優れているといったことはありません。

殻の色の異なるたまご

また、黄身の色は品種ではなく、ニワトリが食べるエサの色素が影響しており、栄養価とは関係しません。

トウモロコシを中心とした一般的なエサでは黄色、
パプリカなどの赤色の色素を含むエサを与えると赤みがかった色になるようです。
珍しいものだと、色素を含むトウモロコシやパプリカを減らし、色素の少ないコメなどを与えると白っぽい黄身になることが知られています。

たまごの用途に応じて、より「おいしそうに見えるように」いろいろな黄身の色のたまごが開発されているようです。

「たまごは1日1個まで」のウワサは本当?

食品に含まれるコレステロールは私たちの体の血中コレステロール値に影響を与えることが知られており、摂取量には注意が必要…と健康診断等で注意を受けた人も少なくないのではないでしょうか?

コレステロールを多く含む食品はたまご以外にもありますが(アンコウのきも、フォアグラ、すじこ、うずらたまご、たらこ、数の子など)、たまごは食べる頻度が高いために話題に上がりやすいといえます。

厚生労働省が発表している「日本人の食事摂取基準2020年版」では、食事からのコレステロール摂取量について、「ここまでなら大丈夫」という線引きができないために、今まで設定されていた摂取上限量をなくしました。

摂取上限量がなくなった=いくらでも食べて大丈夫、ということではなく、日常的な摂取量が過剰にならない範囲に収めたいところです。
「上限がないから」と言って毎日3個のたまごを食べるような食習慣では、やはりコレステロールのとりすぎが心配です。

そうではない場合、「今日は2個も食べてしまった!」ということではなく、1日のうちにたまごを1個食べる日、1個も食べない日、2個食べる日…などを平均して、1日あたり1個前後にとどめられれば、さほど心配する必要はないでしょう。

ただし、食事摂取基準2020年版でも、動脈硬化性疾患予防ガイドライン2017年版でも、すでに高LDLコレステロール血症や脂質異常症などを指摘されている人の場合は摂取基準として1日あたり200㎎にとどめたほうがよいとされています。
このような場合では、たまごは1日1個まで…というルールは必要になってくるでしょう。

たまごは常温保存?冷蔵保存?賞味期限が過ぎたら食べられない?

たまごの保存温度や賞味期限の取り扱いについて、迷いやすいポイントについていくつか解説します。

販売時には常温で保管されていることも多いたまごですが、ご家庭での保存は冷蔵が原則となっており、賞味期限も家庭では冷蔵保存が前提で設定されています。
保存する際はたまごの尖ったほうを下にするとより長く鮮度が保てるそうです。

また、賞味期限は「生食ができる期限」として設定されています。
生ものとしては賞味期限が比較的長いたまご。
多少期限が切れたとしてもしっかり加熱すれば安心して食べることができるようです。
とはいえ、心配な場合には、調理前ににおいや見た目に異変がないか、確認してから使うのが安心でしょう。

まとめ 正しく知っておいしく食べたい

栄養面や健康面について、いろいろな話題に上がりやすいたまごですが、価格も安く使いやすいたんぱく源として食生活を支えてくれる食材のひとつといえるでしょう。

むやみに怖がらず、かといって食事の偏りには注意しながら、上手に活用していきたいですね。

参考文献

厚生労働省e-ヘルスネット:「脂質異常症」

厚生労働省:「日本人の食事摂取基準(2020年版)策定検討会」 報告書

女子栄養大学:「学びの扉 卵は食べすぎても大丈夫?」

農林水産省:「広報誌 aff 2018年9月号」

日本動脈硬化学会:動脈硬化性疾患予防ガイドライン2017年版

佐々木 敏:データ栄養学のすすめ.女子栄養大学出版部,2018.

平井 しおり管理栄養士
平井 しおり管理栄養士

2013年に管理栄養士資格取得後、保育施設に勤務、栄養相談などに従事。

現在は「イマカラ」にて、栄養とダイエットに関する科学的根拠に基づいた情報を発信しています。