2021.11.29

茶色い砂糖は白い砂糖より栄養豊富ってほんと?|管理栄養士執筆

ほんのり茶色の砂糖は、白い砂糖と比べてナチュラルで健康によさそうなイメージがありますが、科学的に見ても健康的なものなのでしょうか?

茶色い砂糖と白い砂糖について、原料や製法、栄養価の違いから、健康のために選びたいものについて解説します。

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茶色い砂糖

茶色い砂糖も種類はいろいろ

茶色い砂糖、といっても種類はひとつではありません。

身近なスーパーなどでは、茶色い(色のついた)砂糖はきび砂糖や甜菜糖、三温糖、黒糖などが販売されています。
一方、白い砂糖では上白糖、グラニュー糖が一般的ですね。

これらの砂糖の原材料はサトウキビやサトウダイコン(甜菜)で、きび砂糖と黒糖はサトウキビから、甜菜糖は甜菜を原料としています。
上白糖、グラニュー糖、三温糖はサトウキビと甜菜のいずれからも作ることができます。

主成分はどの砂糖も同じ「ショ糖(スクロース)」が9割以上を占めます。

お砂糖に色がついている/ついていないのはなぜ?

砂糖は原料であるサトウキビや甜菜のしぼり汁から砂糖以外の成分を取り除くことで作られます。

黒糖はサトウキビのしぼり汁からほとんど不純物を取り除かずに煮詰めることで作られるもの。
きび砂糖は、精製の途中で(原料由来の成分がある程度残った状態で)煮詰めて作られるものです。
黒糖ときび砂糖の色は、サトウキビ由来の不純物によるものといえます。

上白糖やグラニュー糖はできるだけ不純物を取り除いたもので、不純物がほとんどないために無色透明(白色)になります。

一方、三温糖や甜菜糖(甜菜含蜜糖)は精製の過程でできる蜜分(上白糖やグラニュー糖などになる結晶以外の部分)から作られ、着色は加熱精製によるカラメル化で起こっています。

色がついている砂糖=精製度が低い砂糖…と考えがちですが、一概にそうとは限らないようです。

また、白い砂糖は漂白されているとウワサされることもありますが、これは誤り。
漂白剤ではなく、不純物の除去によって白くなっています。
このときに使用される石灰や活性炭は不純物を凝集・沈殿させ、ろ過する過程で不純物とともに取り除かれるため、最終的な砂糖には含まれていません。

茶色い砂糖は栄養素が豊富?

実際に、茶色い砂糖と白い砂糖では栄養価に違いがあるのでしょうか?

茶色い砂糖の栄養価

精製度の高い上白糖、グラニュー糖では、炭水化物以外の成分がほとんど含まれていないことがわかります。

一方、精製度の低い黒糖、きび砂糖ではカリウム、カルシウム、鉄といったミネラル分が比較的多く、黒糖では微量のたんぱく質も含まれています。

同じ「茶色い砂糖」でも、生成時にできる蜜分から作られる三温糖、甜菜含蜜糖ではミネラル分はさほど多くないようです。

ミネラル豊富な砂糖を選ぶべき?

では、健康のためには上白糖や三温糖よりもミネラル分の多い黒糖やきび砂糖を取り入れるべきなのでしょうか?

農林水産省が発表している食糧需給表によると、砂糖の生産量から推測される私たち日本人の砂糖の摂取量は1日あたり50gほど。
この砂糖がすべて上白糖であったと仮定して、すべてきび砂糖または黒糖に変えた時、摂取栄養素のどのくらい差が出るのでしょうか?

■上白糖50gをきび砂糖50gにすると…
カリウム +70㎎
カルシウム +4~17㎎
鉄 +0.1~0.2㎎

■上白糖50gを黒糖50gにすると…
カリウム +549㎎
カルシウム +119㎎
鉄 +2.4㎎

厚生労働省が発表している日本人の食事摂取基準2020年版によると、30~49歳女性のこれらのミネラルの摂取基準は
カリウム:目標量2600㎎以上
カルシウム:推奨量650㎎
鉄:推奨量10.5㎎(月経ありの場合)
となっています。

この摂取基準と比較すると、きび砂糖に変更した場合の摂取栄養素のプラスはあまり大きなものとは考えにくいでしょう。
黒糖に変更した場合には摂取基準の2割程度のプラスになるため、不足を補うことにつながるかもしれませんが、食事の味付けへの影響が大きく、すべての砂糖を黒糖にする方法はあまり現実的ではありません。

砂糖をすべて黒糖にするよりも、ほかの食材を食事に取り入れることで摂取栄養素を増やすほうが簡単です。
例えば、小松菜110g(約1/2束)を食事に加えることで、黒糖50gに相当するカリウム・カルシウム・鉄の摂取量を増やすことができます。

まとめ あくまで調味料なので、栄養価にあまり意味はないかも

砂糖にはいろいろな種類があり、細かく見れば栄養価にも違いはありますが、実際の食生活ではあまり大きな違いではないようです。

砂糖はあくまでも調味料のひとつなので、その種類の違いが栄養価に与える影響は少なく、味に与える影響が多いのが特徴。
料理や好みに合わせて、好きなものを使って問題ありません。

また、どの種類の砂糖でもとりすぎれば摂取エネルギーの過剰の原因にもなりかねませんので、適量の範囲で選ぶのがよいでしょう。

参考文献

文部科学省:「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」

厚生労働省:「日本人の食事摂取基準(2020年版)策定検討会」 報告書

日新製糖:「商品情報 きび砂糖」(2020年6月12日閲覧)

農林水産省:「食糧需給表」

独立行政法人農畜産業振興機構:「白い砂糖の真実、そして三温糖との関係」

平井 しおり管理栄養士
平井 しおり管理栄養士

2013年に管理栄養士資格取得後、保育施設に勤務、栄養相談などに従事。

現在は「イマカラ」にて、栄養とダイエットに関する科学的根拠に基づいた情報を発信しています。