2021.01.18

普段のごはんを玄米に!ダイエットに効果ある?|管理栄養士執筆

ぬか層や胚芽を残し、茶色い見た目の玄米は、ヘルシーで低カロリーなイメージがある食品です。

健康的な食材としてのイメージも強く、ダイエットに使う人も少なくありませんが、普段のごはんを玄米ご飯に変えた場合、どのくらいのダイエット効果が期待できるのでしょうか?

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玄米ご飯

玄米ご飯と普段のごはんのカロリーを比較してみると…

同じ量でも、玄米ご飯のほうが低カロリーで済むのであれば、玄米はダイエットに効果があると考えられそうですが…

お茶碗1杯分の量で比較してみると、以下のようになりました。

      白米ごはん 玄米ごはん 変化量
エネルギー 302kcal   297kcal   -5kcal
タンパク質  4.5g    5.0g     +0.5g
脂質    0.5g    1.8g     +1.3g
炭水化物  66.8g    64.1g   -2.7g
うち食物繊維 0.5g    2.5g    +2.0g
*それぞれお茶碗約1杯分180gあたり

エネルギー(カロリー)は玄米ごはんのほうが低いこと自体は間違ってはいませんが、その差はお茶碗1杯でたったの5kcal。
体脂肪1㎏に相当するエネルギーは7200kcalともいわれ、白ごはんを玄米ご飯に置き換えるだけでは、効果を得るまでにかなりの時間を要することになりそうです。

よく噛んでゆっくり食べるのには適している

玄米と白米に重さあたりのエネルギーにほとんど差はありませんが、玄米はぬかと胚芽が残った状態であり、食物繊維を多く含むため、より噛み応えがあるのが特徴です。

「よく噛んで食べる」というのは「ゆっくり食べる」ことにもつながります。
ゆっくり食べることで早食いによる食べすぎを防ぎ、余分なエネルギー摂取を避けることにも役立ちます。

また、玄米に切り替えることによって食物繊維の摂取量が増えるのもポイントのひとつです。
食物繊維は便のカサを増し、腸管を刺激して便通を促す作用があります。
便秘によるおなかのふくらみが気になる人では、食物繊維の摂取量が増えることでダイエットの後押しになるかもしれません。

食べていいのは玄米だけ「7号食ダイエット」はやせる?

玄米を取り入れたダイエット法として、ネット上では「7号食ダイエット」と呼ばれる方法が有名です。

内容は、10日間にわたり、食事を小豆入りの玄米ご飯のみに制限するもの。
小豆入り玄米ご飯以外に食べることができるのはごまや塩のみとなっており、肉や魚などのおかずを食べることはできません。

また、1日の食事回数や食べる玄米ご飯の量には制限はされていないものの、1日の目安は600gとされている場合も。

そのほか、食事の際はよく噛んで食べることや1日40分歩くこと、早寝などが推奨されているようです。

インターネット上には7号食ダイエットの体験談などを多く目にすることができますが、このダイエット方法の本質は「玄米を食べること」ではなく、「摂取エネルギー(カロリー)の制限」です。

20代~40代くらいまでの女性で通勤や家事程度の運動量がある場合、1日に必要なエネルギーは2000kcalほどになります。
1日600g程度の玄米ご飯の場合、とれるエネルギーは1000kcal程度。
これだけの食事量では明らかに摂取エネルギーが不足し、足りない分のエネルギーを体脂肪などから補うために体重が減っていくことが予想されます。

小豆入りの玄米ご飯

玄米ダイエットはオススメできる?

10日間限定の玄米ダイエット。
実践する人は少なくないようですが、問題点も多くあり、あまりオススメできるものではありません。

ダイエットとはいえ、今回のような1日の摂取エネルギーを1000kcalまで減らす方法は、やや厳しすぎる内容であり、ダイエット中の体調不良が心配です。
ダイエットや健康法に関係して起こった体調不良について「瞑眩反応」「好転反応」などと称して「悪いものが体から出て行っている証」…などと説明されることもありますが、これは間違い。
医学的にはこのような解釈はなく、不必要に体調不良を起こすものは避けるべきです。

また、「10日間限定」で食事を変えるだけでは、もともとの食習慣が改善されていないため、リバウンドを引き起こしかねません。

栄養の面でも、食事が小豆入りの玄米ご飯のみではたんぱく質や脂質が不足することが予想され、栄養バランス的にも望ましいものとは言えません。

どのダイエット方法も、本質は摂取エネルギーの制限にはなりますが、その方法は短期間につらい方法を耐える…というものではなく、もともとの食習慣から見直すような続けられる方法がリバウンドしない方法と考えられるのではないでしょうか。

オススメの玄米の取り入れ方は?

単に白米ごはんと置き換えるだけではダイエットにはならず、また、単品ダイエットもオススメできません。

栄養価から考えると、玄米はダイエット食材としてよりも、白米ごはんと比較して食物繊維が豊富な点が魅力です。
日本人の食事摂取基準(2020年版)では、さまざまな生活習慣病予防の観点から、1日あたりの食物繊維の摂取量を18~64歳男性で21g以上、18~64歳女性で18g以上にすることを目標としていますが、現状ではどの年代も不足しがちです。

食べる機会の多い「ごはん」において、より食物繊維を多くとれる玄米を取り入れることで、不足しがちな食物繊維の摂取量を習慣的に増やすことにつながります。
玄米以外にも、精製度の低い「全粒穀物」は食物繊維の摂取量を増やすのに効果的な食材です。
短期的なダイエットのためではなく、将来の健康のために取り入れてみてはいかがでしょうか?

参考文献

文部科学省:「食品成分データベース:日本食品標準成分表2015年版(七訂)」

厚生労働省:「日本人の食事摂取基準(2020年版)策定検討会」 報告書

平井 しおり管理栄養士
平井 しおり管理栄養士

2013年に管理栄養士資格取得後、保育施設に勤務、栄養相談などに従事。

現在は「イマカラ」にて、栄養とダイエットに関する科学的根拠に基づいた情報を発信しています。