2021.03.22

朝ごはん抜きは肥満のもと?子供も大人もしっかり食べよう|管理栄養士執筆

朝ごはんを抜くとかえって太る、と言われることがあります。
食べる食事の回数が少なければむしろ痩せそうにも思えますが、実際には反対であることが、研究データとしても現れています。

この朝ごはん習慣と肥満との関係には、朝ごはんそのものだけではない要因がかかわっているようです。
家族の健康のために見直したい朝ごはん習慣について調べてみました。

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朝ごはんを食べる子ども

朝食を抜くと太る?

小児期から成人期における朝食の習慣と、肥満や健康との関連を調べた研究があります。
(Smith KJ,et al. Skipping breakfast:longitudinal associations with cardiometabolic risk factors in the childfood Determinants of Adult Hearth Study.Am J Clin Nutr 2010;92:1316-25.)

この論文によると、小児期と成人期のともに朝食を食べていなかった人(=朝食抜きの習慣が身についている人)では、それ以外の人と比べて腹囲やBMIが高い、肥満の傾向があったといわれています。

また、腹囲やBMIとは別に、朝食を食べる習慣がない人では健康的な食事をとる割合が低く、また運動習慣が少なく、テレビを見る時間が長いという傾向がみられたとされています。

「朝食抜き」は肥満につながる乱れた生活習慣の一部かも

この結果からは、朝食を食べないことそのものよりも、朝食、健康的な食事、運動習慣といった「健康的な生活習慣や食習慣」ができていないことが問題になる…と示しているのではないでしょうか。

朝食を抜くから太るのではなく、朝食を習慣的に食べるような健康的な生活をしている人は太りにくい、ということが考えられそうです。

この研究で問題になったのは大人になった現在に朝食を食べない人…ではなく、子ども時代から朝ごはんの習慣がなかった人たちであり、子ども時代から継続した食習慣が健康に与える影響が大きいことがうかがえます。

大人だけでなく、子どもの将来の肥満や肥満に伴う生活習慣病の予防のためにも、健康的な生活習慣を家族みんなで身に着けたいですね。

朝ごはん習慣のためには、睡眠を見直そう

朝ごはんを食べる習慣のない人が、朝ごはんを食べない理由とはどんなものでしょうか?

文部科学省の「平成30年度家庭教育の総合的推進に関する調査研究」によると、子どもが朝ごはんを食べない理由は「起きられず時間がない(36.6%)」「食欲がない(32.0%)」が多いようです。
同じように朝ごはんを食べない保護者の場合では、「食欲がない(33.1%)」「家事や身支度などで時間がない(21.0%)」「起きられず時間がない(16.1%)」という理由が多く挙げられていました。

朝ごはんを食べないことの背景には、その前の睡眠が十分でなく、朝しっかり目が覚めないことがあるようです。

一例ですが、夜遅くまで起きていると朝起きれず、朝ごはんも食べられず、日中は省エネモードで過ごして運動量が減り、また夜に夜更かししておやつを食べてしまう…といった悪循環も考えられます。

睡眠不足の状態は食欲に関するホルモン分泌に影響し、肥満につながりやすい可能性も示されています。

朝ごはんを食べる時間的余裕を作るためだけでなく、健康的な生活習慣を身に着けるためにも、早めの就寝を心掛けましょう。

朝ごはん習慣をはじめよう!おすすめは?

では、朝ごはんには、どんなものを食べるのがよいのでしょうか?
一汁三菜がそろった健康的な食事は理想的ですが、時間的余裕のない朝ごはんにおいてはそこまでこだわらなくても大丈夫です。

最優先で用意したいのが、米・パン・麺類などの「主食」。
炭水化物(糖質)は脳を含む全身の主なエネルギー源となるため、炭水化物を主に含む主食は優先的にとりたい食材です。

次いで、たまごや肉類・魚類などの「主菜」が加わるとよりバランスがよくなります。
おにぎりやサンドイッチでは主食に加えて主菜となる具が一緒に食べられるため、便利です。

朝ごはん

さらに余裕があれば野菜のおかず「副菜」を加えると理想的なバランスになりますが、用意する手間も食べる量も増えてしまうため、無理に用意する必要はありません。
昼食や夕食など、1日を通してしっかり取れれば問題ありません。

一方で、朝ごはんは不足しがちな果物や乳製品をとるチャンスでもあります。
朝ごはんにぴったりのヨーグルトや牛乳、カット済みの冷凍フルーツは調理の手間もないため、手軽に朝ごはんの栄養価を充実させるのに最適です。

負担なく用意できそうなものから、朝ごはんの習慣を作ってみてくださいね。

まとめ 健康的な生活習慣のひとつとしての朝食

朝ごはんを食べることは、将来にわたって健康に過ごすための健康的な生活習慣のひとつのようです。

朝ごはんを食べることから、早寝早起きや日中の活動量、栄養バランスの取れた食事など、様々な健康習慣につなげていくことができるのではないでしょうか。

大人も子供も将来にわたって健康に暮らしていけるよう、朝ごはんを食べる習慣(…をつくれる健康的な生活)を心掛けていきたいですね。

参考文献

Smith KJ,et al. Skipping breakfast:longitudinal associations with cardiometabolic risk factors in the childfood Determinants of Adult Hearth Study.Am J Clin Nutr 2010;92:1316-25.

文部科学省:「平成30年度家庭教育の総合的推進に関する調査研究」

香川 靖雄. 時間栄養学による生活習慣病の予防, 体力科学 第63巻 第3号 293-304(2014)

社団法人日本栄養士会監修:「食事バランスガイド」を活用した栄養教育・食育実践マニュアル.第一出版,2011.

平井 しおり管理栄養士
平井 しおり管理栄養士

2013年に管理栄養士資格取得後、保育施設に勤務、栄養相談などに従事。

現在は「イマカラ」にて、栄養とダイエットに関する科学的根拠に基づいた情報を発信しています。