2021.12.27

「アーモンドミルク」栄養面でどんな魅力がある?|管理栄養士執筆

「アーモンドミルク」は、近年いろいろなところで目にするようになりました。

健康的で栄養たっぷりなイメージもありますが、栄養面ではどんな魅力があるものなのでしょうか?
アーモンドミルクの栄養価について、ぜひ取り入れるべきものか、検討します。

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アーモンドミルク

「アーモンドミルク」ってなに?

アーモンドミルクはミルクとは言っても牛乳ではなく、アーモンドを原料とする「ミルクのような食品」です。

豆乳(ソイミルク)やココナッツミルクなどと合わせて、「植物ミルク」と分類されることもあります。

植物ミルク

アーモンドミルクは、シンプルな製法の場合は水に浸したアーモンドをミキサーにかけ、ペースト状にしたものを絞った方法で作られます。
一般に市販されているアーモンドミルクは味や品質を整えるため、主原料であるアーモンドペーストのほか、糖類(砂糖や果糖ブドウ糖液糖)、食物繊維(イヌリンやセルロース)、ビタミンE、油脂、乳化剤、増粘剤、香料などが加えられています。

アーモンドミルクの栄養価は?

市販されているアーモンドミルクは飲みやすい加糖タイプと砂糖不使用タイプがあり、それぞれ栄養価が異なります。

■アーモンドミルク(加糖)
エネルギー 40kcal
たんぱく質 0.6g
脂質 1.6g
コレステロール 0㎎
炭水化物 7.0g
食物繊維 2.0g(添加あり)
食塩相当量 0.3g(添加あり)
カリウム 18㎎
カルシウム 30㎎(添加あり)
リン 13㎎
ビタミンE 5.0㎎(添加あり)

■アーモンドミルク(砂糖不使用)
エネルギー 20kcal
たんぱく質 0.5g
脂質 1.5g
コレステロール 0㎎
炭水化物 2.0g
食物繊維 1.5g(添加あり)
食塩相当量 0.3g(添加あり)
カリウム 19㎎
カルシウム 30㎎(添加あり)
リン 13㎎
ビタミンE 5.0㎎(添加あり)

*データはそれぞれ、メーカー商品情報より

アーモンドミルクの主成分は炭水化物と脂質であり、100gあたり3gほどのたんぱく質を含む牛乳・豆乳と比較するとたんぱく質はほとんど含まれません。
無糖の場合、炭水化物の量は牛乳(4.7g/100g)や豆乳(3.3g/100g)よりも少なめ。加糖タイプは多めになり、飲みやすい一方でエネルギーも上がります。
食物繊維やビタミンEが強化されており、牛乳や豆乳といった液状食品の中では比較的多くなっています。
豆乳と同様、植物由来であるためコレステロールはゼロ。
血中コレステロール値が気になっている人には牛乳の代替品となりそうです。

一方で、カルシウムは牛乳(110㎎/100g)と比較すると少なく、カリウムも牛乳(150㎎/100g)と豆乳(190㎎/100g)よりかなり少なめ。
どちらも日本人の食生活では積極的にとりたい栄養素であるため、アーモンドミルクからとれる量が少ないのは残念なポイントになりそうです。

アーモンドミルクの利点とは

市販品のアーモンドミルクの栄養的な利点は、
・ビタミンEが豊富
・食物繊維が豊富
・コレステロールゼロ
…といった点が挙げられます。

カルシウムやカリウムが少ないというデメリットもあるため、牛乳や豆乳、ほかの食品と比べて「圧倒的にいいもの!」という訳ではありませんが、牛乳や豆乳とは違った魅力を持つ食品といえそうですね。

アーモンドミルクについて、気になること

市販されているアーモンドミルクは、ビタミンEや食物繊維が豊富ではあるものの、いずれもアーモンド由来のものに加えて添加された原料によって含有量が底上げされているのが少々気になる点です。

栄養素の摂取源になることは間違いありませんが、アーモンド由来の栄養素がたっぷり、というよりはアーモンド由来の飲料にサプリメント的に栄養素が強化されたもの、ととらえたほうが実態に近そうです。

牛乳や豆乳が体質に合わない人(乳アレルギー、大豆アレルギー、乳糖不耐症など)の選択肢のひとつになる点も利点といえますが、アーモンドも(乳や大豆に比べれば頻度は低いものの)アレルギーの原因物質となりうる食品であり、だれでも絶対に飲めるもの、という訳ではありません。
アーモンドを食べたことの無い場合や、アレルギーを起こしやすい体質の場合などは、かかりつけの医療機関に相談する、少量から試すなど、慎重に取り入れることをおすすめします。

まとめ アーモンドミルク、取り入れるべき?

アーモンドミルクは牛乳や豆乳に代わる選択肢のひとつとなる食品といえそうです。

ビタミンEや食物繊維の摂取を目的として取り入れるのもアリですが、特に食物繊維に関してはアーモンドミルクだけでは1日に十分な量が取れるものではないため、アーモンドミルク以外の食事全体の栄養バランスも気を付けていきたいですね。

これひとつで健康に…という訳にはいきませんが、個性ある食材のひとつとして、取り入れてみてはいかがでしょうか。

参考文献

文部科学省:「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」

厚生労働省:「日本人の食事摂取基準(2020年版)策定検討会」 報告書

消費者庁:「アレルギー物質を含む食品の表示について」

平井 しおり管理栄養士
平井 しおり管理栄養士

2013年に管理栄養士資格取得後、保育施設に勤務、栄養相談などに従事。

現在は「イマカラ」にて、栄養とダイエットに関する科学的根拠に基づいた情報を発信しています。