2021.01.21

注意!アルコールは意外と高カロリーなんです|管理栄養士執筆

食品に含まれるたんぱく質、脂質、炭水化物といった栄養素にエネルギー(カロリー)があることは多くの人に知られていますが、アルコールについては知らない人が多いのではないでしょうか?

ダイエット中に限らずとも気になる「アルコールのカロリー」について、適正量とともに紹介します。

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お酒を注ぐ

アルコールのカロリーは?

たんぱく質、脂質、炭水化物といったエネルギー源となる栄養素だけでなく、アルコールもエネルギー源としてカロリーがあることがわかっています。

たんぱく質、炭水化物は1gあたり4kcal、脂質は1gあたり9kcalですが、アルコールは1gあたり7kcalとなっています。

栄養素のカロリーお酒に含まれるアルコールの量(g)は、
アルコール量(g)=度数(%)×0.8(比重)×量(ml)÷100
で求めることができます。
5%のお酒を350ml飲んだ時のアルコール量は14g、このアルコール由来のカロリーは98kcalとなります。

また、お酒全体のカロリーは、アルコールに加え、そのほかに含まれる炭水化物等の栄養素の量によって異なります。

栄養成分表示が記載された市販のお酒であれば、アルコールのカロリーも含まれた値が表示されていますので、新たに計算しなおす必要はありません。

アルコールのカロリーはノーカウント?

「アルコールのカロリーはエンプティーカロリーだから気にしなくていい」という話をたまに耳にしますが、これは誤解。

「エンプティーカロリー」は「空っぽのカロリー」と訳され、体のためになる栄養素は含まれていないカロリーという意味ですが、これを太らないカロリーと誤って解釈してしまったようです。

上で説明した通り、アルコールには1gあたり7kcalのエネルギーがあり、いくら飲んでも摂取エネルギーのとりすぎにつながらないということはありませんので、注意したいですね。

アルコールは体脂肪にならないって聞いたけど…

エンプティーカロリーの誤解に関連して、「アルコールは体脂肪にならないから太らない」とする説もあるようです。

たしかに、ほかのエネルギー源と違い、アルコールが体脂肪に代謝されることはなく、肝臓でアセトアルデヒドを経て、酢酸に代謝されます。
酢酸はその後熱を産出し、分解されます。
お酒を飲むと体がポカポカしてくるのは、この作用のためと考えられています。

熱を生み出して分解されてしまうのであれば、アルコールが体脂肪にならないというのは間違っていないようにも思えますが、実際の体内ではアルコールだけでなく、ほかの栄養素も「おつまみ」などとして一緒に入ってくるため、代謝に影響します。

アルコールがない環境では食事由来の栄養素を分解し、エネルギーを消費、余った分が体脂肪として蓄積されますが、アルコールが入ってくるとアルコールの代謝のために通常の栄養素の代謝が妨げられ、加えてアルコールから代謝された酢酸で体温の産生が行われるために、アルコール以外の栄養素の代謝・消費が妨げられて蓄積する方向に働くと考えられています。

アルコール代謝まとめると、アルコールそのものは体脂肪にはならないものの、そのほかの栄養素をため込みやすい状態にしてしまうようです。
アルコールは太らないカロリーというのはやはり誤解と言えるでしょう。

アルコールの「適量」は?

「お酒は適量で」と言われるように、アルコールは体にとって必須のものではなく、とりすぎることによる悪影響が心配されます。

カロリーに限った場合でも、糖質ゼロを掲げるものであってもアルコールが含まれる限りカロリーはあるため、とりすぎは摂取エネルギーの過剰からの肥満の一因になりかねません。

厚生労働省と農林水産省が合同で発表している「食事バランスガイド」では、お菓子や清涼飲料水を含めた「菓子・嗜好飲料」の枠組みとして適量を1日あたり200kcalまでとしています。

また、アルコールが健康へ与える影響を考慮した場合には、1日あたり純アルコール量で20g(女性ではさらに1/2~2/3)まで、さらに週に2日は休肝日を作ることが推奨されています。
(参考:アルコール20g=5%のビール約500ml、200kcal)

お酒の度数やそのほかの嗜好食品、飲む人のアルコール代謝能力などによって適量は異なりますが、カロリーだけでなく、健康面でも適量を心掛けたいですね。

意外と高いアルコールのカロリー。適量で楽しんで

日常生活ではあまり気にすることのないアルコールのカロリーですが、炭水化物やたんぱく質よりも高く、なかなか軽く見られないもののようです。

ダイエットの観点からも、将来の健康のためにも、とりすぎないように気を付けたいですね!

参考文献

文部科学省:「食品成分データベース:日本食品標準成分表2015年版(七訂)」

社団法人日本栄養士会監修:「食事バランスガイド」を活用した栄養教育・食育実践マニュアル.第一出版,2011.

厚生労働省e-ヘルスネット:「飲酒」

平井 しおり管理栄養士
平井 しおり管理栄養士

2013年に管理栄養士資格取得後、保育施設に勤務、栄養相談などに従事。

現在は「イマカラ」にて、栄養とダイエットに関する科学的根拠に基づいた情報を発信しています。